瑠華は失言をした、と言う感じではなく妙に飄々としていた。
カップに口を付け、コーヒーを一飲みしてから
「そんなに自信がないのですか?自分のモノだと言うシルシがないと不安だ、と」
と目を細めて喧嘩腰でさえいる。
「あー……えーっと…」と背後に居る緑川を見やる二村。緑川が慌てて手を横に振る。
「あ、すみませんでした。お相手が違ったようですね」
さらりと嫌味を言って、言葉以上にサラッと二村と緑川の横を通り抜け、すでに会社の敷地に入っていたワケで、飲みほしたであろうカップを、その敷地内に配置してある大きめのゴミ箱に放り入れる。
「Nice shot.」
と一言言い置いて、会社入口に向かう瑠華。
な、何か良く分からないけど勝った!?
そして瑠華!!かっこいいぜ!!
「そゆうことだ。じゃな」と慌てて彼女の姿を追うことになった俺。
走り出すときにちらりと見えた。緑川の青ざめた顔が。
何故、緑川が青ざめなきゃいけないのか分からない。だってこの場合二股掛けてる二村がぜってぇ悪いだろ!!
おい!緑川っっ!!お前がもっとしっかりしないから、アイツが良い気になってるんだぞ!
と、口パクで緑川を目配せすると、意思が通じたのか緑川が慌てて大きく頷き、俺の後を追ってきた。
瑠華→俺→緑川
の順で社員証のIDをかざし、会社に入ってきたが、その後続いて二村が入ってきた様子はない。
ちょっとは堪えたか?
と思いたい。



