Fahrenheit -華氏- Ⅱ


「そう言えば佐々木くんもハロウィンパーティー参加だったよね?仮装は決まった?」と桐島はさっきまで熱心だった料理のことをあっさり忘れたかのように気軽に佐々木に尋ねた。


「僕はまだ…仮装てはじめてで。部長は?決まってます?」


と俺に話を振られ、てか佐々木め、桐島と会話が成立しないと思ったんだろうな。


「俺はヴァンパイア」


即答。


だって、愛しの瑠華ちゃんが『似合いそう』って言ってくれたんだぜ?


マントと付け八重歯もネットで注文済だ。マントの下はスーツでいいだろ。


「桐島は?お前何すんの?」と今度は俺が桐島に話を振ると


「俺?俺は脱獄囚人」


「「脱獄囚人??」」」


俺と佐々木の声が重なった。


「だって楽じゃん?ボーダーの上下着れば」


ま、まぁ分からんわけでもないが。


「マリちゃんは?」俺は桐島の嫁さんのことを聞くと


「真理は女医だって」と桐島がのほほんと笑う。


「「女医!!?」」またも俺と佐々木の声が揃った。


そ、それは!エロい!


「普通のワンピースに白衣着るだけだから楽だって」


………


なるほど、さすが桐島の嫁さんだけある。


「は~…部長はヴァンパイアですかぁ、なんかすごく似合いそうですね」


佐々木は頬杖を付きながらため息をつく。


似合う…かぁ?瑠華にもそう言われたけど『夜な夜な美女の生き血を吸う』とかまで言われたんだぜ?


「部長は何やってもさまになるからいいですよねー」と佐々木は口を尖らせる。


「佐々木くんだって似合う仮装があると思うよ?ミイラとか。なんなら俺と一緒に囚人服とかどう?」と桐島が聞いていて


ミイラ?脱獄囚人?


どっちもどっちだ。似合うとか言われてもね~