入ってきたのは桐島で
「あ、お疲れ~」と桐島は相変わらずのんびりとした物言いで手をあげ
「おう」俺も短く挨拶。佐々木は「お疲れ様です」と頭を下げていた。
「二人ともランチ?相変わらず仲良しだね」と桐島に聞かれ
だ・れ・が!佐々木と仲良しなんだよ!
まぁ俺はそれなりに佐々木を可愛がってるところはあるが。いつもセットみたいな言い方やめてくれ。
「小杉飯店に行くとこ。お前もランチ?」と桐島に聞くと
「うん、俺も。小杉飯店て割と近くにあるけど行ったことないなー、気になるし俺も行こっかな」
と便乗してくる。
ぇえ~面倒くさいなー…
と思いつつも…数少ない同期だし、俺は何だかんだ桐島のこと嫌いじゃないし。
何だかんだで、変な組み合わせだが近くの中華料理屋に行くことになった。
――――
――
「へぇ、味があっていいね」
馴染みの中華料理屋の外観を眺めて桐島がしげしげ。
味がある??俺にはただ古くて汚い店にしか見えないが。
「あ、でも!こうゆうお店って意外に美味しいんですよね」と佐々木がわくわくと目を輝かせる。
店の外観と同様、店員の接客も雑なもので、それでも男三人だと意外と気にならないもんだな。
俺は四川麻婆定食。麻婆豆腐に白飯とトマトと卵の中華炒めが少々、サラダと中華スープがついてくる。
佐々木は天津飯。
桐島はジャージャー麺定食。水餃子と野菜の中華スープがついている。
因みに俺が頼んだのは四川料理、佐々木は広東料理、桐島は北京料理ってとこか。
料理が届いて、すぐ俺と佐々木は箸を割ったが、桐島だけはスマホであちこちの角度から写真を撮っている。
俺も佐々木も思わず目をぱちぱち。
桐島が熱心に写真を撮ってる最中、俺は桐島を無視して麻婆豆腐を蓮華ですくった。
「お前何やってンの?もしかしてSNS映えとか狙ってんの?」
イマドキの女子か!と突っ込みたくなったが、桐島は
「や、今度の新メニューの参考にしようかと」と相変わらずのほほんとした笑顔を浮かべ写真を確認している。何だ、こんな所にきてまで仕事かよ。
桐島は写真を撮り収めたことに満足したのか、ようやく箸を手にしてジャージャー麺の肉味噌を一口。
「これはっ!」
目を開いてジャージャー麺を睨む桐島。
な、何!?
毒でも入ってンのか!
「結構おいしい」
あっそ、思わせぶりな態度とりやがって。
桐島め、相変わらずペースが分からんヤツだな。



