Fahrenheit -華氏- Ⅱ


瑠華は短く報告すると再び布団に顔を埋めて目を閉じる。


俺も、ふぁっと欠伸が出た。今日も一日すっげー疲れたからな。


大好きな人が隣に居るって言うだけで、すごく安心するし気持ちいい。俺は瑠華の首の下、腕を入れて所謂腕枕状態で、あっけなく眠った。


――――

――


遠くでアラームの音が聞こえてきた。


携帯でセットした機械音のする方へ手を向ける。


けれど所在が分からなくてあちこち手を這わせていると、その手にそっと誰かの手が重なった。


寝起きの―――…いや、まだ半分目覚めていない脳で、その手が瑠華のものだと言うことに気付くのにちょっと遅れた。


重い瞼をこじ開けると、




「おはようございます」




と、瑠華がやわらかな微笑みを浮かべていて、


……眩しい…


そっか……


そっか!


昨日、俺瑠華と寝たんだ。


と、ここになってようやく覚醒した。


てか寝起きに瑠華の微笑はある意味刺激が強すぎる。朝日より攻撃的だぜ。


可愛いケド……


俺は瑠華の首の下から腕を抜き取ると、ごろりと俯いて枕を抱いた。


「朝ですよ、もう起きなきゃ」


と瑠華が布団の上から俺の背中をゆさゆさゆすぶってくる。


分かってる…


分かってるんだけどね!


オトコの事情ってのがっ!


「大丈夫、大丈夫、すぐ準備するから瑠華、先にシャワー浴びておいでよ」と手をひらひらさせて彼女に笑いかけると、瑠華はちょっと怪訝そうにしながら「本当に起きますか?」と言いながらもベッドを抜け出し、バスルームに向かっていった。


最近、あんま良く寝れなかったし深く意識してなかったけど


「俺、まだまだ若いな」


としみじみ。