Fahrenheit -華氏- Ⅱ



その後、俺は冷蔵庫にある有り合わせで、簡単なオムライスを作った。本格的なデミグラスソースは時間が掛かるから、昔ながらのチキンライスに卵を巻きつけたもので、ケチャップを掛けるあれ。


考えたら村木を尾行して入った料亭で、ろくに食えなかったし、そりゃ腹も減るよな。


瑠華用にちっちゃく作ったオムライスを瑠華は全て平らげてくれた。


「おいしい♪」と言いながら。


俺はそう言って俺の作った料理を心から美味しそうに食べてくれる瑠華の笑顔が好き。


結婚したら、あれだな。料理は俺が担当で、瑠華は掃除ってとこか。


オムライスを食いながらもんもんとバーチャルする俺。てか妄想?


思わず顔がにやけてしまって瑠華に怪訝な顔をされたが、こうやって俺の家で飯食うのって随分久しぶりだったから、やっぱり嬉しかったり。


明日、二人で出勤するのをちょっと早めよう、と言う話になってたからそれ程深酒はせず。


俺の車に瑠華を乗せて会社に出勤したら、誰かに見られでもしたら秒で噂が回っちまうからな。


そう言う分けで夕食を食べ終えた後、二人で大人しくベッドに入った。


久しぶりだな、こうやって寝るのも。


と考えながら、ふと心音ちゃんのことを思い出した。


俺だけ幸せで楽しかったけど、今更になって心音ちゃんのことが心配になってきた。


「ね、ねぇ瑠華。心音ちゃん大丈夫かなぁ」


隣で顏の半分まできっちり布団を被っていた瑠華がちょっと目を上げ


「さっきメールしましたが、心音はあたしのマンションに帰ったようです。何かあったときのように合鍵をこの前渡しておいたので。


アレックスとのセックスはサイアクだったと怒ってました。次はないでしょう」


そ……そうなの…?それなら良かった……のか??


まぁとりあえず無事だと言うことね。