Fahrenheit -華氏- Ⅱ


脱衣所で、俺たちは服を脱ぐ前にキス。


もう、待ちきれなかった。


瑠華とキスしたのはもう何日ぶりだろう。とにかく瑠華と口づけを交わしたかった。


貪るようなキスに瑠華は最初の内一歩後退したけれど、その細い腰を引き寄せて強引に口づけ。


歯列をなぞり、強引と言えるほど舌を入れ瑠華の口腔内に舌を入れ、けれど瑠華は嫌がることはせず、俺の舌に絡める。


激しいバードキスの中、息継ぎをするように唇を離し、瑠華は上目遣いでちょっと微笑んだ。


心臓の奥が激しく鼓動を鳴らしている。



「瑠華を―――今すぐ


抱きたい」



瑠華の耳元に顔を寄せそっと囁くと、瑠華はほんのちょっと頬を染めて俺を見上げてくる。


『あたしも』と言う言葉を期待していたが、瑠華も俺の唇にそっと指をあて


「お願いがあります」と一言。


お願い?


何だろう。と思っていると





「今日は、啓が脱がせて」




俺は目を見開いて、けれど瑠華のシャツのボタンにすぐに手を這わせた。


それと同時、瑠華も俺のワイシャツに手を伸ばしボタンを外す。


キスの嵐の中、無我夢中で、ロマンチックとは程遠いまるで獣のような動作だったが、それが余計に雄である俺の本能を刺激した。


お互い一糸まとわぬ姿になり、俺は乱暴にバスルームのすりガラスを開けた。


明るい照明の中、瑠華の体がいつもより鮮明に…克明に脳に刻み込まれる。


瑠華はほんの少し恥じらったように胸元を両腕で隠し、俺はシャワーノズルを捻ると、まるで雨のような湯が降ってきて、それを見上げる彼女を真正面から抱きしめた。