Fahrenheit -華氏- Ⅱ



「たまには……と言うか最近あまり……一緒に入ってなかったので、シャワーでも浴びます?


その…二人で…一緒に…」


瑠華がほんの少し顔を赤くして俺を見上げる。


へ!?


俺は目を見開いた。


瑠華とシャワー、―――!!!


YES!!!!


てか初めてじゃね?瑠華から誘ってくれたのって。


いや、今はそんなこと考えてる余裕はない。


そうと決まれば善は急げ!


俺は無言で瑠華の腕を取るとバスルームに向かった。


脱衣所に瑠華を入れると俺は後ろ手で扉を閉めた。


「せっかちですね」


瑠華がちょっと苦笑。


何とでも言ってよ。


「言ったろ?俺は今、瑠華切れなんだって」


瑠華の唇に指を置き、彼女の顔を覗き込む。


「あたしは―――…」


瑠華が何か言いかけた。


『あたしは』?その先が聞きたくて、ほとんど瑠華のシャツのボタンを外しかけようとしていた俺の手は止まった。もしかして瑠華も俺切れだったとか?


そんな言葉を期待していたが






「あたしは、ちょっと違います」





との言葉にガクリ…


思わず瑠華のシャツから手を離すと、その手を瑠華の小さな両手がそっと包んできた。





「あたしは―――あなたが居てくれたから、本当に幸せで。


辛くなったとき、悲しいときにあなたは常にあたしの傍に居てくれた。


何も聞かず、ただあたしの悲しみを受け止めてくれた。あたしの過去がどんなに汚れていようが、受け止めてくれた」




瑠華が眉を寄せ、少しだけ悲しそうな表情をつくった。


「汚れてなんか、ない」


俺は言い切った。


そりゃ最初は離婚歴があって、さらには子供も産んでいたってことにかなり驚いたが、俺はそれでも瑠華が




「欲しかった」




想いが口に出る。