瑠華が片付けてくれたおかげで、幾らか座る場所が出来たソファの上に腰を下ろし
「てか日本にまで来て男を漁るとか…」
「あなただってそうだったでしょう?」と瑠華に真顔で突っ込まれ、
ま、まぁそうですがー……
と、否定できない俺。
でもでも!今は瑠華ちゃんが居るからそんなこと絶対ないもんねー!!
「心音は……」
ローテーブルの上に転がったビールの空き缶を集めながら、瑠華がほとんど聞こえないぐらいの小さな声で呟いた。
「愛の上塗りをしたいだけなのです…きっと……」
それって―――……
心音ちゃんがマックスの兄貴のジョシュアと婚約が破談になったときから―――?
……とは聞けなかった。
菅井さんが見せてくれた、幸せそうに微笑む心音ちゃんと、マックスに似ているジョシュアの、二人の姿。その雑誌を見た、と何故か言い出せない俺。
別に世に出回ってるものだし、盗み見てるつもりもない。
けど
―――何となく、心地悪い。
部屋が何となく片付き、瑠華はキッチンに向かった。
良かった、キッチン“だけ”はいつもきれいにしてあるんだ。
「飲みなおします?さっきまで色々気が張ってたので。全然酔った気がしませんよね」
と言いながら冷蔵庫を開ける瑠華。俺はその背後に回って瑠華の華奢な背中を後ろから抱きしめた。
「先にこっち」と耳元で囁くと、瑠華がちょっと苦笑を浮かべ
「シャワー…浴びてませんから」と甘い吐息がかった返事。
「いいよ。
俺、今。瑠華切れ―――」
そう答えると瑠華が俺の腕の中ゆっくりと体を反転させ俺に向き合う形になった。
俺の胸に手を置くとそっと顔を近づけてきて、俺たちは口づけを交わし合った。
照明の下、キッチンの床の上に俺たち二人の影が重なって映しだされた。



