「損な性格ですね、村木部長は」
俺が目を伏せたまま焼酎のロックに口を付けると
「こうゆう性分なので、恨まれるのは今に始まったことないですよ。慣れています」
村木はあっさり言った。
それから瑠華が戻ってきて、二杯程飲むと何となくお開きムードになった。
話も一方通行だったし。どちらかが折れる、と言うことができない二人だからな。
ここで答えは出ない、と踏んだのだろう。
店を出て大通りに向かうと俺たちと村木はそれぞれタクシーを拾い、そこで完全に別れた。
タクシーに乗り込み「すみません、六本木まで」と言うと「すみません、高輪にしてください」と瑠華が訂正し、
え?
と思っていると
「今日、そちらに伺っても宜しいですか?」
と。
何と!!
もちろん「Yes」と言いたいが……
俺、今朝起き抜けのままだったような……しかもここ数日まともに掃除らしい掃除してねー!!
「いや!今日は瑠華の…六本木にしよ…?」
と俺の挙動不審をどう勘違いしたのか、じっと瑠華が疑いのまなこ。
「何故です?何故私をあなたの家に入れてくれないのです?」
まさか女が……?とは口には出さなかったけど、疑われてるのは分かる。
「えっと、その……」
どんな言い訳してもきっと…いや絶対?疑われるのは間違いないし。
「ちょーーーーっとばかり散らかってるけどいいデスか?」と目だけを上げると
「大丈夫です」と瑠華はあっさり。
と言うわけで高輪にある俺のマンションに来たわけだけど、部屋を開けて恐る恐る…と言った具合で彼女を促すと
「カオス……
泥棒……いいえ強盗にでも入られました?」
瑠華は目を開いて、まるで小鳥のように目をぱちぱち。
Noーーーー!!!
だから嫌だったんだよぉ。



