Fahrenheit -華氏- Ⅱ



「ここでいいですか?どうも私はあなた方が好む洒落た店を知りませんので」


と言って指さした先は銀座でも少しランクの下がるだろう洋風居酒屋っぽいところだった。


「構いません」と瑠華が勝手に返事してるし。瑠華を残して俺一人で帰れねーし。もうここまで来たらヤケだ。


「いいですね!!ここにしましょー!」と半ば怒りながら、乱暴にその居酒屋の扉をくぐった。


村木は洒落た店は知らないと言ったが、居酒屋風の外観とは違って内装はシックで落ち着きがあった。一見してバーのようにも見える。


ちょうど良い明るさの元、カウンターの内側で有名なブランドのアルコール瓶がずらりと並んでいて


「へぇ……意外ですね。村木……部長はこうゆうとこ来るンすか?」


と俺はキョロキョロ。


「三回目ぐらいです。懇親会等の二次会に利用したことがあって知ってる程度です」


と、意外にまともな返事がかえってきて正直拍子抜け。


『私がどこへ行こうと勝手でしょう』と、ぐらい言われるかと思ってたのに。


店は流行っているのだろう。生憎だがボックス席は満席でカウンターしか空いていなかったから、俺たちは、村木→俺→瑠華の順に横一列、席に腰を落ち着けた。


店員がおしぼりを手渡してくれて注文を聞かれ


「私は生を」と村木が頼み


「では私も」と瑠華が続く。


「じゃ……じゃぁ俺も…」てかゆっくりメニューも見れないよ、この微妙過ぎるメンバーじゃ!!!