俺は瑠華の手のひらにチュっとキスを落とすと、
「俺、トキめいちゃった♪食事やめてホテルに行こうか♪」
と軽い調子で言って瑠華の白くてちっちゃい手を撫で撫で。
「行きません」
瑠華はちょっと苦笑いで俺から手を抜いた。
でも、俺が喋らないことに関しては、これ以上突っ込んで聞いてくるつもりはないらしい。
諦めた、と言うかそれ以外の感情―――
「あたしはあなたを信じてます」
瑠華は薄く笑って、
「おなかすきました。早く移動しましょう」
と、次の瞬間にはまた普段通りの無表情に戻っていた。
信じる―――か。
それは、疑うよりも難しいこと。
『どうゆうことですか!』って問いただして攻められるよりは助かるけど
でも
瑠華は?それで大丈夫なのか。
今まで女にこんなこと思ったことなかった。どっちかて言うと…ていうか絶対だけど、そう言われたらそこで一気にドン引きだったしな、
それと同時に「しゅーりょー」だったわけだけど
瑠華とは「終了」させたくないんだ。
例えどんな風に攻められても、彼女が一人で抱え込むことを考えたら「どう言うことですか!」と責められた方が…そっちの方がいい気がした。
と言っても全部話すわけにはいかないけど。
ああ……本気の恋って
ムズカシイ。
本当の愛って
クルシイ。
恋愛の本当の辛さ、生まれて約26年間の人生で、このときはじめて気付かされた。



