病室についてわたしが見たものは、

白い、無機質なベッドの上に寝かされているレンだった。


薄暗い病室に、ベッドの脇に添えられた機械の灯りが緑色に光っている。

その灯りが横たわったレンの顔を照らして、青白い頬を定期的に映し出す。


あちこちにチューブが取り付けられたレンの姿は、痛々しく切なすぎるものだった。


ユウ君に連れられてベッドの傍まで歩いたわたしは、

目を瞑ったままぴくりとも動かないレンの身体を見下ろしながら、

長い間、何も言えず、何も考えられなかった。



何、これ?

これが、レン?

何してるの?



重く流れる時間の中で、ようやくわたしが考えられたのはそんなもので、

突きつけられたこの現実に、動くこともできずにいた。



レン、何してるの?

どうしたの?

帰ってくるって言ったのに、何してるの?

ねえ、どうしたの?



眠っているだけのようなレンの顔。

わたしは、本当に長い時間、ただそうやってレンを見下ろしたまま、

何が起こったのか理解するまで、声も出せず微かに震える膝を必死に支えながら、立ち尽くしていた。