天井近くまで積み重なったダンボール箱の隙間を迷路のように抜けて、レンは奥のロッカールームに入る。 この部屋に入るといつも、なんかこう、汗臭い。 ちょっと苦手。 レンだけじゃない、男のヒトたちの匂いがする。 ガコンッと、ロッカーを開ける音が聞こえ、 ハンガーに下げられた感がわかると、わたしは途端に、がっかりする。 これから5時間、真っ暗になるから。 ひとりぼっちになるから。