いつか、レンは気づくだろうか。


わたしがあのストラップだったっていうことに。



ううん、そんなこと、できるはずがない。


そんなこと、考えるはずもない。



ただ隣にいるわたしを、ナナでいるわたしを、好きになってくれるだろうか。



わたしは、レンに強くしがみついた。


今、ここにいる自分が嘘じゃないように。


包んでくれている胸の温かさが消えないように。


離れたくない、そう強く願った。



弱くもなく、きつくもなくわたしを包むレンの腕は、ただ優しく背中を撫でている。



レンの胸の中にいるのに、

しがみついてもしがみついても近づけない気がして、

わたしはただ、レンの胸に顔を押し付けて、震えて泣くことしかできなかった。