そして帰国後、改めて日本の大学に入り直した。

つまり20代半ばにして現役大学生というわけだ。

そして達郎兄ちゃんにはもうひとつの顔がある。

「最近は事件もないですからね」

「あっても行かんでよろしい!」

お婆ちゃんは達郎兄ちゃんの発言を、ぴしゃりとはねのけた。

警視庁公認の民間協力員である名探偵(?)月見達郎の顔は出すなということか。

何はともあれ、あたしの入院生活は、こうして幕を開けたのであった。