「全く、患者のプライバシーを漏らすなんて」
ううっ、高森さんが怒られませんように。
「多江は私の姪よ」
仕方ないという表情で、婦長さんは言った。
「私の姉があの子の母親なの」
「ご両親は…」
「あの子が6歳の時に死んだわ」
交通事故だったという。
「出張帰りの義兄を姉が駅まで迎えに行ってね」
その帰り道、居眠り運転のトラックと正面衝突。
即死だったそうだ。
「多江は義兄の両親が引き取ったの」
「あの…」
勢いで訊いてみることにした。
「多江さんは、何で入院してるんですか」
「もうわかってるんじゃないかしら」
「え?」
「あの子、隆夫さんからメールが入ったって言ったでしょ」
「はい」
「隆夫ってのは誰か知っているでしょう」
「…多江さんの恋人ですよね」
「そう。今は天国にいる人よ」
やっとわかった。
多江さんが入院してる理由が。
婦長さんは言った。
「あの子…多江は心を病んでいるのよ」
ううっ、高森さんが怒られませんように。
「多江は私の姪よ」
仕方ないという表情で、婦長さんは言った。
「私の姉があの子の母親なの」
「ご両親は…」
「あの子が6歳の時に死んだわ」
交通事故だったという。
「出張帰りの義兄を姉が駅まで迎えに行ってね」
その帰り道、居眠り運転のトラックと正面衝突。
即死だったそうだ。
「多江は義兄の両親が引き取ったの」
「あの…」
勢いで訊いてみることにした。
「多江さんは、何で入院してるんですか」
「もうわかってるんじゃないかしら」
「え?」
「あの子、隆夫さんからメールが入ったって言ったでしょ」
「はい」
「隆夫ってのは誰か知っているでしょう」
「…多江さんの恋人ですよね」
「そう。今は天国にいる人よ」
やっとわかった。
多江さんが入院してる理由が。
婦長さんは言った。
「あの子…多江は心を病んでいるのよ」


