「持ち主はカホじゃないでしょ」
麗美姉ちゃんが柔らかいチョップをあたしの脳天に落とした。
「正しく言うと病院の経営者のことよ」
「それがどうかしたの」
「レミ、残りの資料は」
手を出した達郎兄ちゃんに、麗美姉ちゃんは1冊のファイルを渡した。
あたし無視されてるなぁ…。
「雪村多江の司法解剖の結果と、雪村多江の家族構成、病院関係者の証言をまとめておいたわ」
達郎兄ちゃんはうなずいた。
「監察医の上野先生に感謝しなさいよ。だいぶ無茶を聞いてくれたんだから」
「今度、好物の金つばを送ると言っといてくれ」
ファイルを見ながら、達郎兄ちゃんは言った。
「まったく、たまにはあたしにもお礼を頂戴よ」
達郎兄ちゃんは無言を返した。
「達郎兄ちゃん、相づちぐらい打ってあげたら」
あたしはそっけない態度に抗議したが、達郎兄ちゃんは無言のまま。
もう一度呼びかけようとした時「しっ」と麗美姉ちゃんが人差し指を唇にあてた。
麗美姉ちゃんが柔らかいチョップをあたしの脳天に落とした。
「正しく言うと病院の経営者のことよ」
「それがどうかしたの」
「レミ、残りの資料は」
手を出した達郎兄ちゃんに、麗美姉ちゃんは1冊のファイルを渡した。
あたし無視されてるなぁ…。
「雪村多江の司法解剖の結果と、雪村多江の家族構成、病院関係者の証言をまとめておいたわ」
達郎兄ちゃんはうなずいた。
「監察医の上野先生に感謝しなさいよ。だいぶ無茶を聞いてくれたんだから」
「今度、好物の金つばを送ると言っといてくれ」
ファイルを見ながら、達郎兄ちゃんは言った。
「まったく、たまにはあたしにもお礼を頂戴よ」
達郎兄ちゃんは無言を返した。
「達郎兄ちゃん、相づちぐらい打ってあげたら」
あたしはそっけない態度に抗議したが、達郎兄ちゃんは無言のまま。
もう一度呼びかけようとした時「しっ」と麗美姉ちゃんが人差し指を唇にあてた。


