「ということは、昨夜の藤上医師の行動は、本人以外、誰にもわからないわけだ」
あたしは鈴木さんの証言を思い出した。
藤上医師は上の階から個室を見回っていたはず。
ではなぜ誰もその姿を見ていないのか?
「こっちの方は?」
達郎兄ちゃんはバックから本を取り出した。
婦長さんから借りた投資の本だ。
「達郎の言った通りね」
麗美姉ちゃんは手帳をめくった。
「才能がないとしか言い様がないくらい、大損してるわ」
「誰の話?」
あたしが訊くと、達郎兄ちゃんは
「これの持ち主」
と本をかざした。
どうやら婦長さんから本を借りたのは、推理の材料を集めるためらしい。
やはり達郎兄ちゃんは経済や投資には興味はなかったのだ。
「あと、もうひとつの事も、達郎の予想通りよ」
「もうひとつ?」
おうむ返しに麗美姉ちゃんに訊くと、達郎兄ちゃんは床を指した。
「ここの持ち主のこと」
「あたしの病室がどうかしたの?」
あたしは鈴木さんの証言を思い出した。
藤上医師は上の階から個室を見回っていたはず。
ではなぜ誰もその姿を見ていないのか?
「こっちの方は?」
達郎兄ちゃんはバックから本を取り出した。
婦長さんから借りた投資の本だ。
「達郎の言った通りね」
麗美姉ちゃんは手帳をめくった。
「才能がないとしか言い様がないくらい、大損してるわ」
「誰の話?」
あたしが訊くと、達郎兄ちゃんは
「これの持ち主」
と本をかざした。
どうやら婦長さんから本を借りたのは、推理の材料を集めるためらしい。
やはり達郎兄ちゃんは経済や投資には興味はなかったのだ。
「あと、もうひとつの事も、達郎の予想通りよ」
「もうひとつ?」
おうむ返しに麗美姉ちゃんに訊くと、達郎兄ちゃんは床を指した。
「ここの持ち主のこと」
「あたしの病室がどうかしたの?」


