…嘘ばっかり…。 鞄を持っている手に力を入れて、一歩を踏み出した時。 「アイツ、本当にそんな事言ったの」 え? 「は、はい。言ってましたっ」 「ふーん。…信じらんねぇな」 どきんっ。 …先輩は、 あたしを信じてくれるの? ――… 嬉しい。 「で、でも!」 「それ返してくんない?仮にアンタの話が本当でも、アンタにはあげたくない」 先輩の背中しか見えないから、表情は見えないけれど、きっと怖い顔してるんだろうな…。