僕は、もともとは。

 ゲイとか、ホモとかと言われるヒトビトの類いでは、無かった。

 ハニーに出会う前には、いわゆる『彼女』も、いたし。

 仕事だって、あまり上品じゃないステージを務めながら。

 普通に、女性の機嫌を取っていたんだ。

 だけども。

 ハニーと出会って過ごすうちに。

 僕の世界が、一変した。

 それまで、感じたことの無い激しさで、ハニーを愛し。

 ハニーだけが欲しくて他の誰をも、恋愛対象としては、全く受け付けなくなったんだ。

 一方で。

 商売柄そんな風に見せていたせいもあるんだけど。

 世間一般の並よりは上らしい、僕の外見だけ見て。

 気に入ってくれる女性は、後をたたず。

 閉口した僕は、ハニーとの以外の恋愛事を避けるために、色々対策を練っていた。

 里佳についても。

 僕に対してだけ、多少ツンケンしてて、遠慮がないことを、トシキは『僕に気がある証拠』なんて言ってた。

 けれども、本当は。

 僕が、里佳とは色恋に関係ない繋がりを望み。

 水商売をやってた時のテクニックを使って、彼女を導いて行った末のこと。


 ……なのに。


 これ、は。


 なんだ?