―――その頃、雷焔家




「龍雅。私は……決められないわ。どちらも手放すのは嫌!!」


「私もだよ。……だが、雷焔の里にいる皆を…危険にさらす訳にはいかない」




蓮樹はボロボロと泣き出し、輝耀が背を撫でた。




「龍雅様…どうなさるおつもりですか?」




爺が悲痛な面持ちで龍雅に尋ねた。




「旺輝…もし風戸にどちらかを養子に出すとして、将来戻って来られるのはどちらだと思う?」


「冷静に考えれば、珠樹様かと。奏様は女鬼でいらっしゃるので、風戸のどこかに嫁がせるやもしれません。最悪、風戸の当主の元に」




爺が難しい顔をして答えた。