「よかったね、由美子!まだまだ両思いとまではいかないかもしれないけれど、最初の一歩、踏み出せたね…

…あれ?どうしたの由美子。まるで嬉しく無い様な顔をして…」

「ううん、すごく、嬉しいよ。」

「えっ?じゃ、じゃあなぜ悲しそうな顔をしてるの!?」

「…ねえ、省吾?」

由美子はそう言うと、省吾に近寄り、ぶつかりそうなぐらい顔を省吾に寄せた。
そして省吾の目をじっと見つめた。

-ドキッ!-

「な、何ですか由美子さん!?
(≧≦;)」

-こ、このシチュエーションってまさか、キ…-

「もっと早く、こうなれていたらなあ。

はいっ、これ持ってみて…」

「えっ!?」

そう言って、由美子に省吾が手渡された物は、由美子が持っていた中和剤の入っていた…


…いや、まだ入っている瓶だった。

「えぇっ!?ぜ、全然減っていない…って事はまさか…」

唖然とする省吾から、素早く中和剤の入った瓶を奪う様にして取り戻すと、人差し指で省吾を指さして言った。