二人組の内一人は、芦田省吾と言って、化学同好会に所属する、ごく普通の(?)気弱で臆病な度のきついメガネをかけた男の子。十六歳。

憧れのクラスメートの女の子、宮本めぐみに告白する為に、気弱で臆病な性格を改善しようと、強気になれる薬を開発している真っ只中である。

ちなみに、会員は彼だけである。

もう一方は、前田由美子と言うショートヘアーの女の子。
省吾とは同い年で、小学校以来の幼なじみ。

家が省吾の向かい側という事もあり、何かといつもびくびくしている省吾のフォロー役を買って出ていた。

そう言う訳で、今回も幼なじみの恋路のサポートとして、省吾の助手をつとめている訳だが、実は由美子は乗り気ではなかった。


「…ね、ねえ省吾。今回もまた、失敗しちゃうかな。『何も変化しなかった』とか…」

「な、何を言うんです、由美子さん!今度こそ、成功させてみせます!」

「…」


-…成功しちゃったらもう、コイツと一緒に登下校出来なくなっちゃうのかな…-