そして、この時代……幕末へと楓を連れてきた。 あの場所が、サーカス団の一員でいることが、楓の負担だと分かっていたから。 「……楓。軽業は好きか?」 克がそう問うと、 「……うん、好きだよ。私の、生きがいだった。」 そう、楓が微笑みながら言ってくれたのは、やっぱり克は嬉しかった。 それから少し、夜が明けるまでたわいない話をした。