押し黙って、とりあえず上半身だけでもと起き上がる。 掛け布団はきちんと折りたたみ、敷き布団の上で正座をする。 「ニャー…。」 黒猫が、一声鳴いて、楓の膝の上に乗る。 「………。」 楓は、なんだかほんわりと癒された気がした。 そういえば、と思い出す。 「助けてくれて、ありがとうね。黒猫さん。」 頭を撫でてあげると、ゴロゴロといって手にすり寄ってきた。