楓を刺した男も、体力はもう残り少ないのか、震える腕で刀を再度向けてきた。 「…へっ、情報…言ってもらおうか。」 この期に及んで、まだ欲しがるか、と呆れる楓。 楓が何も言わないので、再び切りかかろうとする男。 しかし…… 「ぐあっ…!な、なんだ!?猫っ!?」 楓が顔だけを男に向けると、男の顔には細い線の傷が何本かあった。 そして、自らの傍らにいるのは (黒、猫………?) 凛と佇む、美しい毛並みの黒猫がいた。