(チッ、本当に…気に入ってたんだが…。) 土方は、真っすぐな楓の目を思い出す。 事情聴取なんか関係なく、ただ、楓に興味を持ったから連れてきた。 (捕まえた鳥を…逃がしちまったな。) しかし、土方は首を振ってその考えを消す。 鳥は、また戻ってくる。 そんな予感が、土方にはあった。 もし、戻ってこなくても… 「また、捕まえればいい。」 (だからな、楓。覚悟しておけ……。) ―――次に捕まえたら、決して逃がさない……。