魔女と呼ばれた娘



「お前……フランチェスカじゃ……」

「ああそうだ。俺は魔女のフランチェスカ女王じゃねぇよ」

にやりと笑うレックス。
エリックは驚きを隠せない目でレックスを見つめる。


「それより、今話すのはマリアのことじゃないんですか、エリック陛下」

皮肉たっぷりの口調。
まだ呆然としていたエリックは現実に引き戻されるが、それでもさっきの勢いはない。


「マリアをなぜ殺したか……俺はお前の知らない真実を知っている」

「……話せ」

にやりと、レックスは笑った。
ぐいっと顔をエリックに寄せる。


「まず最初に言うべき事は、マリアはお前を愛してはいないということだ」

「なっ! そ、そんな事があるか!」

「事実だ。マリアはノワールの腐れ大臣に頼まれてお前に近づいて行っただけだ」

まず、エリックにとっては信じがたいことが明かされる。
確かにマリアはエリックを愛したわけではない。
大臣に頼まれ、戦争を起こすため、婚約を破棄させるために、エリックの元へ差し向けられただけだ。
彼女が愛していたのはレックスだと、死ぬ際に彼女は告白していた。

「ただお前は利用されただけだよ」

耳元で囁く。
明らかに、エリックは動揺している。

その様子をみて、レックスはほくそ笑む。