数日後、執事は戻ってきた。
そして報告を始める。


その報告を聞いていくうちに、女王の美しい顔は怒りにかわった。


元婚約者が恋した女。
女はあろうことか、女王の国の属国の姫だった。


自分より地位の劣る小国の姫。
幼なじみであった彼女に、愛する人を奪われた。



怒りに燃える女王。
嫉妬に狂い始めた彼女は誰も止められない。


しばらくし、彼女は静かに言った。
静かな声で執事に命令を下した。




「あの女の国を、滅ぼしなさい」


すぐに家臣たちは反対をする。
だが、彼女はその制止を聞かず、命令を下した。



そして、国は滅ぼされた。
姫を含む王族は皆殺し。
国民でさえも町は焼け落とされ、多くの血を流した。



女王の命令で、今まで友好的だった国が滅びた。


それが、また大きな戦争を産むことになる。
国が滅亡するまで、もう時間はなかった。