魔女と呼ばれた娘




後日、結果を知ったレックスは報告のために部屋を訪れる。
知ってしまった真実はあまりにも酷だ。

彼女を傷つけてしまう事になる。
それでも彼女は知りたいと望んでいる。
報告するしかなかった。



「エリック様の恋人は、マリア王女です」



向こうの使用人たちがしきりに噂していたようだ。
何度も彼女に会いに行き、熱烈にアプローチしていたらしい。
そして彼女も、何度も彼と会う回数を重ねていた。


「嘘でしょ?」

「本当です。偽りのない、真実です」


「嘘よッ!!」

また、フランチェスカは取り乱す。
無理もない。

マリアは隣国の姫で、幼いころから何度も共に遊んだ幼なじみだった。
本当の姉のように信じていた。


エリックは自分より地位が劣るマリアを選んだ。
マリアはエリックがフランチェスカの婚約者と知っていてそれを拒まなかった。
むしろマリアの方から近づいたようだ。

これは明らかな裏切りであり、フランチェスカは怒りに震える。


すぐに部屋を飛び出し、そして家臣たちを集めた。


そして命令を下した。
彼女が家臣に操られずに下した初めての命令。


「マリアの国を滅ぼしなさい」