魔女と呼ばれた娘



二週間後、フランチェスカの下に手紙が届いた。
送り主はエリックだ。

先日、王は急死し王位を継いだばかりで忙しい時期にわざわざ手紙を書いて送ってきた。
フランチェスカは喜んでその手紙を受け取った。



しかし、そこに書いてある内容は喜ばしい事ではなかった。
突然の婚約破棄。

愛する女性がいるという理由で、三年前からの婚約を破棄された。


呆然と立ち尽くす。
ふつふつと怒りと悲しみが沸き起こり、手紙を破り捨てる。



何度も何度も夢に見た。
一目惚れをしてからずっと憧れていた人との結婚。
その幸せは、手にする直前にするりと手からこぼれおちた。


フランチェスカは部屋にこもり、泣きだした。



その様子を面白そうに見ていたのは家臣たち。
狙い通りに婚約を破棄させることができたのだ。