王は語った。
フランチェスカの出生の秘密。
そして王妃の暗殺。
家臣たちのいいなりに政を行った事。
この国の王族は家臣たちのいいなりに動くただのお飾りである事。
自分は気が弱く、王族の血を引かない引け目からそれに逆らうことも止めることもできなかった事。
すべてをレックスに話した。
「……いつかあの子も家臣たちのお飾りになってしまう。それだけは避けたい」
王は続けた。
レックスはただその言葉を聞いていた。
「あいつらのいいなりになることを拒否し、国民の為の政を行おうとしてきた。しかし、それからというもの、体の調子が悪い」
事実、王は何度も体調を崩している。
医者に診てもらっても原因は分からず、ただ日々弱っていく。
予想はできる。
あの腐った欲にまみれた家臣たちならすることだ。
「言う事を聞かなくなった王よりは、まだ幼いあの子の方がお飾りにしやすかろう。あいつらは私を死なせるつもりだ」
「……助けてほしいと?」
初めてレックスは王の言葉に口をはさんだ。
その顔にはいつもの笑みはなく、ただ王を見つめていた。
「いや、もしあの子が王位についた時、守ってやってほしい。私はすでに罪を犯したのだ。これは、その報いなのだろうから」
犯した罪。
それは家臣たちを止められなかった事。
国民を苦しめてきた事。そのすべてだろう。
レックスは少し目を伏せ、そして改めて口を開いた。
「アンタ、腑抜けの王族のわりには少しはマシな考え持ってたんだな」
それは、今までのレックスからは想像もつかない言葉遣いだった。



