フランチェスカが15歳のとき、
すでにレックスは王と家臣たちの厚い信頼を得ていた。
その日、レックスは王に呼び出された。
王の私室に呼び出される事は何度もあるが、今回はただ事ではなさそうだ。
「レックスです。ただいま参りました」
「……頼みがある」
入って早々、王は彼に向き直り、本題に入った。
レックスは真剣な面持ちで王の言葉を受け止める。
「何なりと」
「ひとつは、フランチェスカ……あの子にこれを渡してほしい。私からというのは伏せてな」
そう言って、王はレックスにひとつの小包を渡す。
中身は分からない。ただの執事が知るようなことではないだろう。
「……父親らしいことなんて何一つしてやれていない。それでもあの子は私を父と呼んでくれている。それの、礼だ」
「かしこまりました」
王の頼みをレックスは承諾する。
レックスに見せた王の顔は初めて見せた父親の顔だった。
「それと、もう一つ。お前にしか頼めない事なのだ」
これこそが本当に頼みたいことというように真剣な顔を見せる王。
どんな命令が下されるのだろう。レックスは気を引き締め、王の言葉を待つ。
「あの子の本当の父親を探してほしい。……会って謝りたいのだ」
出てきた言葉は、レックスにとっては意外な言葉だった。



