魔女と呼ばれた娘



「レックス、私の事好き?」

ある日、フランチェスカはレックスに聞いてきた。
キョトンとした顔でレックスはフランチェスカを見上げる。

ちょうど、庭の手入れをしていたところだ。
エプロンに軍手姿の状態でうーんと少し唸ってみる。

「悩むくらいならもういいわ」

「いえ、どういい表わせばいいのか考えておりましてね」

そういってレックスは笑う。
フランチェスカはツンと顔を背ける。
またレックスは苦笑いをこぼしながら立ち上がった。


「好きですよ」


何の臆面もなくド直球でさらりと言ってのけた。
フランチェスカはレックスの顔を見上げる。

「気を使わなくても結構よ」

「いえいえ。本気でございます」

「……。どれくらい?」

また少し唸るレックス。
今度は顔を背けることなく、レックスの答えを待った。


「フランチェスカ様が思うよりもずっとですね」

「……」

少し赤面するフランチェスカ。
まだ子供と言っても女として嬉しいようだ。


「ですから、フランチェスカ様には幸せになって欲しいです」

「……そう」

またにっこりと笑うレックス。軍手を外し、しゃがんで目線を合わせる。
そしてフランチェスカの頭に手を置く。


「フランチェスカ様は私の事は好きですか?」

逆にレックスが聞き返した。
フランチェスカは目を丸めて、そして顔を背けた。


「別に。好きじゃないわ。……嫌いではないけどね」

そう言ってそのまま中庭を出て行く。
その後姿を見て、レックスはまたにこやかに笑った。

その瞳は、とても優しいものだった。