「女王様って、本当の女王様じゃないんだね」
「そうね。ただの平民の子だったの」
魔女が生まれる話をした。
ここから、魔女が女王となるまでの話を紡いでいく。
しかし、その前にシャーリィは時計を気にし出す。
「何か急ぎの用事でもあるの?」
「今日ね、パパが帰ってくるの」
輝く笑顔を見せるシャーリィ。
今話している血まみれの話にそぐわないほどの満面の笑み。
幼いから、この話の血生臭さは分からないのだろう。
「どこか出かけていた?」
「うん。お仕事」
「そうなの。楽しみね」
シスターがほほ笑むと、またシャーリィは笑う。
この子は父親が本当に好きみたいだ。
「ねぇ、シスター、女王様のパパもどうなったの?」
「それは後のお話に出てくるわ。長くなるけど、このまま聞く?」
「聞く聞くー!」
これからこの話はどんどん血生臭くなる
それも知らず、シャーリィはシスターの話に耳を傾けた。