「法に触れる……辺りかな」


「じゃ、ギリギリ?捕まんない程度のかわいーもんだと思うぜ」


こないだの桜太をリンチしたのは、ギリギリラインなのかな。


そうでもない気がするんだけど……。


「あんまり危険なこと、しないでね」


「……なんだよ。オレに言ってるのか?」


「あぁっ、あの、リキ……いえいえ、ケイに言っておいて」


「ま、ケイがヤバい時はオレが盾になってやっから。ウチのリーダーを見捨てるような真似は、死んでもしない」


矢吹さん……やっぱ、いい人っ!!


「ありがとう……」


「礼を言われるでもない。オレが、単にケイを好きなだけだから」


矢吹さんはヘルメットをかぶると、そのままバイクを発進させ、闇の中へと消えて行った。