「ついに明日は中間、だな」


1週間通い続けた晃汰の部屋。

毎日眺めたクリスのポスターも、晃汰が真剣に勉強する姿も…。


「今日で、最後かぁ…」


嫌だな、もうここに来れなくなるなんて…。


ーチッ チッ チッ チッ…


時計の針が夜6時50分を指した。

「もうこんな時間!?あたしそろそろ、帰るね??」

あたしは重い口を開いてそう告げた。


本当は、帰りたくなんかない。

まだ一緒にいたい。

もっと教えてほしい。


「じゃ、送る」


そんな淡い期待が晃汰に伝わるわけもなく、あたしたちは晃汰の家を出た。

でも、初めて“送る”って言ってくれた事に、単純に喜んでるあたしもいた。


ータン タン タン

重なるあたしと晃汰の足音。

もどかしいあたしと晃汰の距離。


寂しいな……。


そんな想いも虚しく、あたしたちは駅に着いてしまった。


「じゃーな」

「うん…」

「テスト、100点取らねぇと許さねーから」

「えぇ!?何それっ!?!?」


無理にもほどがあるってぐらいの条件を出してきた晃汰。


「とりあえず今日までサンキュ」