「よくやった円!!!!」

飛鳥の力強い声に背中を押されて。

「円こっち回せ!!」

晃汰の低くて響く声にいち早く反応してパスを出す。


「おし、こっからカウンターだー!!!!」

「「おう!!!!」」

俊介の大きい声に、全員が返事をした。


こうなったら何点でも取るぞーっ☆

「おい」

…あ、あっれー??


私の襟を引っ張るのは誰でしょーか??


「おい亀。調子乗るな馬鹿野郎」

「ぅえ!?」


ちょ、調子なんて…いや、乗ってました。


「いいか??落ち着いて1本ずつ打て」

「わかった」


1本、また1本。

慎重にあたしはボールを運んで行った。

全ては“全国大会出場”のため。


そしてその先の、“優勝”のため。


あたしたちは11人は、ホイッスルの音を聞くまで、無我夢中で走った。

がむしゃらにゴールを目指した。


ーピッ ピッ ピーッ


終わってみれば、あっという間で。

本当に終わったのかわからないぐらい、一瞬に感じた。


「よし、皆荷物持ってベンチから出るぞ!!!!」