あたしは悔しくなって、頬をプクッと膨らませた。

そんなあたしを見て、超ご満悦の晃汰。


ードキン ドキン…


もう、嫌なのに。

吹っ切れたはずなのに。


どうしてこんなにも、あたしの心は晃汰に反応するんだろう??


あたし、馬鹿だなぁ。

前みたいな友達に、戻らなきゃ。


そうでもしないと、胡桃に話しかける自信が持てないよ。

胡桃と仲直りする勇気が持てないよ。


そうして日々は過ぎていき、期末1週間前となった。


「今日から部活停止期間だから、必死に勉強しろよー!!追試クリアしないと、その時点で2学期の中間まで部活禁止だからなー!!!!」

「「はい…」」


夕焼け空の中、あたしたち4人はいつもの電車へと乗り込んだ。


今日も、いつもの最寄り駅では降りない。


「晃汰、円、じゃあな」

「じゃな」

「ばいばーい☆」

だんだん、飛鳥とは普通に喋れるようになってきた。

…いつも笑顔の、飛鳥のおかげなんだけどね。


「晃ちん、あいらぶゆー!!!!まーちん、俺の晃ちん、取らないでね!?」

ードキンッ

「…キモい」

「と、取らないよっ!!!!」

俊介の言葉に、飛び上がるほどびっくりした。


ドキドキする胸を押さえて俊介を見ると、俊介はニッコリ笑ってあたしを見てた。


ープシュー


音と共に、あたしたちと俊介たちの間でドアが閉まった。

飛鳥と俊介が、大きく手を振る、いつもの光景…。