「聞いた…の??晃汰の事…」

「え…??」


何で、飛鳥が知ってるの??


「俺、前に晃汰を問い詰めたんだ」

飛鳥は、あたしの心を見透かしたように話し出した。

「何でそんなに、鈴木さんを毛嫌いすんの??って」

「……。」

きっと、それは胡桃がマネージャーをやるって言い出した時。


飛鳥は、それを気にしてたんだ…。


「そしたら、もうびっくりの連続。しかも、その後晃汰が何て言ったと思う??」

「…??何て言ったの??」


あたしがそう聞き返すと、飛鳥は呆れたように笑い出した。


「本当、あいつら馬鹿だと思ったよ。…円を傷付けないように、隠しておこうとした、だってさ」

…え!?!?

「そ、そう決めたのって、いつって言ってた!?」

「んー…確か、円と鈴木さんが仲良くなってからって言ってた」

「えぇ!?そんな頃から、あたしが晃汰の事好きって思われてたの!?」


…その頃は、まだ自分の気持ちに気付いてなかったのに…。


「違う違う。…円と仲いい鈴木さんと、円と仲悪い晃汰が付き合ってたなんて知ったら、円がショック受けると思って、隠そうって決めたらしいよ??」


「へ……??」


それ、だけ…??


「本当、馬鹿だよなー!!って、え!?円、泣いて…る??」

「え…??」

飛鳥に言われて顔に手をやると、指が濡れた。


「ふっ…うぇ…」

あたし、馬鹿だ。

勝手に解釈して、胡桃を責めた。


「はぁ…。俺、何で晃汰の事庇ってんだか…」


飛鳥はそう呟きながら、泣きじゃくるあたしを優しく抱きしめてくれた。