あたしは、明日の朝に屋上に来て欲しいっていうメールを送った。


胡桃からの返信は、瞬く間に返ってきた。

〈いいよー♪どーしたのっ??〉


あたしの心の中とは裏腹に、いつも通りの優しい胡桃。


〈何でもない。明日話すね〉

そんな胡桃に対して、いつも通りに出来ないあたし。

…嫌だな。こんなに酷い事、胡桃にしたくないのに…。


あたしは醜いまま、翌朝を迎えた。


屋上に着くと、すでに胡桃がそこにいた。

「あ、円っ!!!!おはよーっ♪」

いつもの優しい笑顔と、温かいおはように、あたしはあたしが大っ嫌いになった。


…胡桃は、きっと悪くない。


過去に何があったって、それはあたしが干渉する事じゃない。

大切なのは、今だよね??


あんなに、唯斗先輩を見て騒ぐ胡桃。

目をキラキラ輝かせて、唯斗先輩を眺める胡桃。

…こんなに唯斗先輩に一途な胡桃だもん、胡桃が晃汰を好きって事は絶対ない。


そう、わかったのに。

あたしの口は、勝手に動いていた。

最低な事を、嫉妬の塊を、胡桃にぶつけてしまった。


「胡桃と晃汰、昔付き合ってたんだってね??…今も、好きなんじゃないの??」


言ってから、ハッとした。

時間を巻き戻す事なんか出来ないのに、酷い事を言う前に戻りたいと、必死に願った。


恐る恐る、目の前の胡桃を見ると、


あたしの大好きな、優しい笑顔は…

あたしのせいで、涙でぐちゃぐちゃに崩れていた。