一年前、覚えてるか?
 俺と駿が出会った時。



 高校の入学式が終わり、皆が家に帰る頃。
 俺も玄関を出て、家に帰ろうとしていた。

「ふむふむ……明後日から授業開始かぁ」

 俺はさっき新たな教室で配られたプリントを見ていた。
 明日からの予定や持ち物が書いてあるプリントだ。

 ビュオッ……。
 その時、突風が吹いた。

「うぉっ……あ゙ー!!!」
 いきなりの事で油断していた!!
 プリントが遠くに飛んでいく。

 やべぇ!!!
 あれが無きゃ明日の持ち物も分かんねぇのに!!

「待てそこの紙!!」

 おかしな台詞を発して俺は紙を拾いに行った。
 紙は、学校の中庭みたいなところまで飛んでいっていた。

 恐るべし、風。
 しかしここ、結構いい所だな。 サボりスポットにピッタリかもな。
 まぁ俺はそんなサボり魔じゃないけどな!

「……帰ろ」

 プリントをもう飛ばないようにカバンの中に入れ、歩き出した。 が……

 ずべっ。

「いってー!!」

 思いっきり転んでしまった。

 俺は何につまづいたんだ!?

 石ころか?
 紙か?
 空き缶か?
 鼠の死骸か?

 俺は振り返って転んだ原因を見た。

「ぎょわっ!?!?」

 人だった。
 人がうつ伏せに倒れていた。