「は? ……こっくりさんが怒ったら画面が変わるのか?」

 信じられない話だが、相手はこっくりさんだ。
 あり得ない事などあり得ないのかもしれない。

『うん』

 あっさり肯定。

 こっくりさんって何者だ……!?
 俺なんか二、三秒で殺されそうだ。

『……何してる?』

 チイラの声で我に返った。

 そうだ、母さんを探さなきゃ!

 俺はパソコンに向かった。
 マウスに手を置き、鳥居に合わせる。

「あれ?」

 カーソルは今朝まで鳥居に合わせてあったはず……。

 でも今は――
【ね】
 のところに合わせてあったな…何故だ?

『何考えてる? 早くしなよ全く優柔不断男が』

 ゆ……優柔不断て! 酷っ。
 こいつの性格が掴めない……。

『ほら、早くしないとこっくりさんに殺られちゃうよ』

 何っ!?

 ……逃げ場はないって事か。

 いいや、逃げるつもりなんて微塵もない。
 こうなったのも俺の所為だ。
 母さんまで巻き込んで……。

 よし。

「こっくりさん、こっくりさん。俺の母さんはどこに居ますか?」