優が学校に居る頃、優の母は……。
 家に一人で洗濯物を干していた。

『ふぅ……疲れたわー』

 干し終わり、洗濯籠を持ちリビングに戻ろうとしたが、

『……あら?』

 ドアが開けっ放しになっている優の部屋が目に入った。

 優はいつも自分の部屋のドアはきっちり閉めているから、少し気になった。

 ちょっと覗いてみると、部屋の窓が開いているのに気付いた。

『優ったら!窓まで開けっ放しにして……』

 優が帰ってきたら注意しておかなきゃ、と思いながら窓を閉めに部屋へ入った。

『あら?パソコンが……』

 部屋に入るとすぐに、電源の入ったままのパソコンに気が付いた。

 パソコンには、あの画面が映し出されたままだった。

 しかし、優が見た白い背景に黒い文字のシンプルな画面ではなかった。



 黒い背景に

 赤い文字で

 書かれていた。