竜司くんは……ヘタレ。 ヘタレだけど根は優しい好青年。初めての年上の友人。 「スピカに触れも出来ないヘタレのくせに」 「ヘタレって言うな! 俺は犬が苦手なだけだ!」 「ムキになる所がヘタレっぽいわよね、ちーちゃん」 「ははっ……ですね」 好青年だけどヘタレな竜司くん。 もしかしたら俺は、もう既に竜司くんに対して特別な感情を抱いていたのかも知れない。 それに気づくのは、まだもう少し先の話―――