強制的に上げられた目線は俺とぶつかる。 そのまま身体を乗り出して、千秋の唇に――― 「パス」 手で撥ねのけられた。うそーん。 「竜司くんタバコ臭い」 「えっ」 咄嗟に両手で口と鼻を包み息を吐く。 そんな臭ってないような気もするが、禁煙車と喫煙者では感覚が違うのだろうか。 でも俺は屈しない。屈しないぞ千秋くん! 「大丈夫、一瞬だから」 「うざい」 今度は手の甲を抓られて、呆気なくかわされてしまう。