初めての、キスだった。
私のファースト・キス。
雄悟先生に、キスされてる。
目の前の刺激の強すぎる現実に、くらくらする。
初めてだけど、多分……一般的に長めのキスだったと思う。
離れた時にはもう、私の頭は正常に働かず、ポワポワと熱がこもっていた。
「てことで、お前消えてくんね?」
そう言って雄悟先生は私を腕の中に閉じ込め、金森くんを睨み付ける。
金森くんは顔を真っ赤にして私を見た。
金森くんと目が合う。
「み、南みたいなアバズレ、こっちから願い下げだあああああ!!!!」
金森くんはそう叫んで、走ってどこかへ行ってしまった。
アバズレって……。
いや、こんな公衆の面前でキスをするのはその部類……?
でも私、された方だよ……?!
「南、行くぞ」
「うえ、あ、はい」
右手を雄悟先生の左手で握られて、引っ張るように先生は歩き出す。
私はそれに素直に従う。


