「得意科目は?」
先月の模試の結果が記された紙を見ていた雄悟先生は顔を上げて言う。
「理科と、社会です」
「苦手科目は?」
「数学……」
ふうん、雄悟先生はそう言って、また用紙に視線を落とす。
「一応合格圏内だな。まあまだこれから範囲増えるしどうなるかわかんねぇけど……」
「はあ」
「数学が苦手ってのがなぁ。これからもっと難しくなっけど大丈夫かぁ?」
言われている内容がグサグサくる。
正直、数学は一番苦手で点数が取れなくて悩んでる。
もしかして今日、数学やるのかな? 怖いし、嫌だなぁ……。間違えたら怒られそう……。
「よし。じゃあまず国語からだな」
「え?国語?」
「国語は全ての科目の軸となる科目……つまり一番重要なんだよ。国語が伸びねえと他も伸びねえ」
そうなんだ……?
確かに全ての科目の問題文は日本語だし、数学なんかはたまに日本語が理解できない問題あるからなぁ。