受験は決して甘くない。

私が恋愛によそ見をしている間に、他の受験生(ライバル)たちがどんどん追い越して行ってしまうかもしれない。

だから、あれは必要なことだったんだ。

受験が終わって合格すれば、好きなだけ雄悟先生の側にいられるんだから。

頑張って良かったって思えるように過ごせた、と思う。








腕にはクリスマスに雄悟先生にもらった腕時計。

いつもとは違うバスに乗って、受験会場に向かう。



……正直、緊張する。



頬を両手でパンと軽く叩いて気合いを入れる。

今日一日頑張って、絶対合格するんだ!!