そんな日々が一ヶ月ほど続き、2月14日。南の受験日まで数日という今日。

学校が午前だけだったこともあり、一度家に帰って着替えてから大翔と買い物に出かけた。

大翔は女装の趣味があって、今日も大翔は女の格好で現れた。



「よっ」



大翔はれっきとした男だが、身長もそこまで高くなく線も細い。

大翔の女装姿は本当に女の人にしか見えない。

でも綺麗な女の人から放たれるその声は、男にしては高いけれどやはりギャップがある。



大翔はいつも通り俺の腕を掴んで放さない。

デート気分を味わいたいのか、女装した大翔は必ず俺と腕を組んで放さないところがある。

ため息をつきつつ、いつものことだと大翔に付き合うことにした。








夕方になり、大翔と解散して南の家へ向かう。

今日も家庭教師がある。

最近の南の表情は暗いことが多く、正直気が滅入るけど……俺がそんなじゃ、ダメだよな。